「日々を健やかに楽しむ土台を作る」

これが僕のやりたいことです。

やっぱり人生は楽しさいっぱいでありたいと常々考えています。


きっかけは遡ること大学生時代、心身ともに元気で溢れていた僕は、ある日、突然の病に倒れました。
治療薬により、再び社会には戻れたものの、再発や薬の副作用等により20代の大半は心身ともにボロボロでした。毎日が体調不良だったので、生きている心地をうまく感じれませんでした。

ガッツにだけは自信があった僕なのですが、病気を通しての教訓は、「どんなに気合を入れたとしても、身体がボロボロだと頑張れない」ことでした。どう足掻いても力が湧いてこないんです。
恥ずかしながら、心身の健康を失って初めて気づけたことであり、チャレンジしたり、人生を楽しみ尽くすには、まずは「土台」となる心身の大切さを切に感じた出来事でした。

その後結婚し、妻の協力もあり、食を見直すうちに徐々に美味しいと感じる味覚が変わり始めました。その頃には再び身体の活力を感じ始め、現在は元気に過ごしています。

これらの経験を通して、「日々を健やかに楽しむ土台を作る」にはまずは「食」が大事だと考えています。

そして、僕が食を通して、少しでも多く貢献できることは何か?を考えると、一番口にする機会が多い主食「米とパン」に辿り着き、どちらも作ってみて、しっくりきたパンを今回選択しました。

もちろん、日本人の糧となるものはお米です。でも、パンの消費量は増加傾向にあるし、グルテンやポストハーベスト等、パンの課題はまだまだ多いです。僕にできることはあると感じています。

ここまできてですが、実は僕はパン屋ではなく、「御養ひ(おやしなひ)」屋さんになるのが目標です。「御養ひ」とは、滋養を表すもので、16世紀半ば、パンが日本に伝えられた際、キリシタン版の宗教書ではパンのことを「御養ひ」とも訳してあったところからきています。

だから、御養ひ屋としての今は、パンの種類は1種類のみです。
パン屋だとあり得ないかも知れません。でも、僕の成し遂げたいことを叶えるにはこのパンが一番だと今は確信しています。ご縁がありましたら、ぜひ一度食べていただきたいです。

パンについては、小麦の自給率が3%しかない日本の中で、慣行栽培より収量が減るオーガニックの国産小麦を使用します。もしかしたら、まずは日本の自給率を上げるほうが大事という見方からでは慣行栽培の小麦を使用した方が良いのかも知れません。それでもオーガニックを使用するのは、「チャレンジする人」を僕なりのベストで応援したいからです。

「一回の人生、悔いなく、楽しみ尽くしたい!」
そんな想いを持ったお客さんにパンが届く日を夢見て、目の前に集中していきます。

菊本

kikumoto hiroshi

1987生まれ 山口県育ち

里山に5人家族で暮らしながら、地方銀行、コンサル会社勤務を経て、2023年8月に薪窯パン屋とお金の相談人をスタート。